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SETOUCHI ART COLLECTIVE
CROSSING 2023 Green

瀬戸内の歴史とアートが紡ぐ文化の輝き

 瀬戸内は日本の四国と本州の間に広がる海域であり、自然の美しさや豊かな文化が息づく地域です。この地域には、古くから多くの歴史的な建造物や遺跡が残されており、それらはアートと深い関係性を持っています。

例えば、瀬戸内海には多くの城や城跡があります。これらの城は、戦国時代や江戸時代に築かれ、多くの武将や城主たちが栄えた場所です。城内には美しい庭園や彫刻なども作られ、それらは当時のアートや文化の表現として重要な役割を果たしていました。

 現代においても様々なアート作品が作られており、その中にはアーティスト独自の世界観やメッセージが込められています。それに触れることで、私たちは新しい感性や考え方を身につけることができます。さらに、アートは地域や文化のアイデンティティを表現するものでもあります。公共の場所に設置された彫刻や壁画は、その地域や社会の特徴や価値観を反映しています。このようなアート作品が身近にあることで、私たちは自分たちの文化的なアイデンティティを理解し、誇りを持つことができます。

アートがもっと身近に

 一方で、現代アートはその現代性ゆえに難解なものと感じられることや、十分な評価を得られないことも多々あります。作家はそれを承知の上で、独自の表現を追求していますが、鑑賞者や買い手にとってはハードルと感じられてしまうことがあります。

本プロジェクトでは『アートがもっと身近に』をサブテーマとして、地域で活躍する6名の若手アーティスト自身が運営する期間限定ギャラリーをオープンいたします。会期中には作品鑑賞をしながら作家との交流を楽しむことができます。

 また、アート作品を購入する際には、価格の高さや購入方法、展示方法がわからないなど、さまざまな心理的障壁があります。こうした問題を解決するために、アート作品の交換が可能な『アートサブスクリプションプラン(定額制レンタル)』を提案します。このサービスを利用することで、気軽に家庭やオフィスでアート作品を楽しむことができ、若手アーティストの支援にも つながります。 ぜひ本展で出会った作品を手に取り、身近にアートに触れる生活をお楽しみください。

 

アートをさらに楽しむための特別なワークショップも!

SETOUCHI ART COLLECTIVE CROSSING2023 GREEN

 近代における芸術家たちは、先人たちから受け継がれた豊かな思想をもって、人々の生きる姿を生き生きと映し出し、生命の尊厳を象徴的に言い表す創造的な行為に芸術の本質を求め、人々の生活を精神的に支える役割を担ってきた。現在の私たちの生活の場面においても、少なからず芸術にまつわる環境を身近に意識することがあるだろう。余暇の過ごし方に始まり、趣味としての美術鑑賞に勤しみ、地域環境に準じた生活に理想を求めている。一方で現在の美術家の多くは、かつてのような社会に対して使命感を背負う存在ではなくなり、大衆に迎合することなく個性の主張にしのぎを削っている。

 そもそも美術の原則論として、現在の美術家は“表現の自由”に束縛され過ぎてはいないだろうか。個性の発揮は、表現者として重要なことではあるが、偏りすぎると形骸的なものへと流されていく要因にもなりかねない。美術家は何らかの批評を受けることで、ようやく内に秘めた世界を解き、外界へと歩み始める。こうして客観的な視点から自己を見つめ直す機会を得ることで、美術家は美術家として成長していく。もちろんその限りではないのだろうが、基本的に美術家は美術家としてのみに生きているわけではなく、美術家の活動の一端に触れること、すなわち“観られる”という逃れようのない行為による交流の場が用意されるべきであろうと思っている。つまり私たちは、美術家が掲げる“美術観”との出会いによって、新たな視点に目覚めさせてくれる機会にもなり得るのである。今回のプロジェクトによって多くの人々が集い、意見交換する場が創出され、ともに美術を共有することができれば、私たちを取り巻くあらゆる今を知ることにも繋がると確信している。これまでにない美術へのアプローチとしての新しいメソッドが提供されることを大いに期待する。

 

川島猛アートファクトリーミュージアム 学芸員 田口慶太

本企画展に寄せて

瀬戸内アートコレクティブについて

私たちは瀬戸内を拠点に活動するアーティストのネットワークです。参加するアーティストたちはそれぞれ制作活動を行いながら、時に協力し合い、地域社会に現代アートを広めるために尽力しています。

地域社会とアーティストが共に関わり合いながら、アートの可能性や価値を共有しあうことで、瀬戸内の地に素晴らしい文化芸術の土壌が育まれることを目指しています。

参加アーティスト

金孝妍 (キム・ヒョヨン)
現代美術家

1980年韓国生まれ。2017年第10回「I氏賞」奨励賞受賞。2020年「I氏賞受賞作家展」(岡山県立美術館)、2022年の個展「息する瞳-Breasphere-」(高梁市成羽美術館)で大型作品やインスタレーションを展開。環境や場所等の「関係性」をテーマに身体を直に介入させその相互作用の痕跡を作品に仕立て上げている。

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辻孝文 (つじ・たかふみ)
ペインター

1985 山梨県生まれ。2006 モントリオール国際芸術祭(カナダ)カナダ日本フランス芸術友好賞。2007 メルボルン日本芸術祭(オーストラリア)日豪芸術様式美賞。2010 トーキョーワンダーウォール公募2010 トーキョーワンダーウォール賞。人の営みを軸に、近年は、繰り返される事、物事の多面性をテーマに作品を制作する。

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高松 明日香 (たかまつ・あすか)
画家